Mail Magazine for L.S. students issued by JELF

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/4/26 配信━━━━
                             
■□■ ECO Tama ■□■ 27号   
2012.1月〜2012.3月

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*JELFは、法的手段によって環境保護運動を進める、全国約560名の
  弁護士によって構成されている環境保護団体です。
  ECO Tama=「エコ たま」とは、エコロジー・ロイヤーのたまごたちという意味。
  環境問題への関心を共通項として集まった仲間の、情報交流メルマガです。
  ECO Tamaは、ロースクール生の皆さんに有用な情報を提供するため 、
? JELFから無料でお届けします。

*ECO Tama のバックナンバーは、JELFホームページにてご覧いただけます。
  URL: http://www.jelf-justice.org

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■東日本大震災により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます
  とともに、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、
  心よりお見舞い申し上げます。
  一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。


┃ C ┃ O ┃ N ┃ T ┃ E ┃ N ┃ T ┃ S ┃
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┃◆ 「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団の取り組み
┃ 
┃◆ 泉南アスベスト国賠訴訟・第二陣訴訟勝訴!

┃◆「馬毛島」の長い闘い
┃ 
┃◆ 環境法勉強会を開催しました(東京・大阪)
┃  シロクマ報告会を開催しました(東京) 

┃◆ JELFからのお知らせ

┃◆ あとがき



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◇◆◇ 「生業を返せ、地域を返せ!」
      福島原発事故被害弁護団の取り組み   ◇◆◇
       弁護士 馬奈木 厳太郎(第二東京弁護士会) 
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★弁護団結成に至るまで★

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団は、2011年
10月30日、福島市内で結成された。設立時、弁護団は、福島県や
宮城県、首都圏の弁護士約25名だった。
事故以来、後にその多くが弁護団の一員となる弁護士たちは、多数回に
わたり法律相談会などに参加してきた。相談会や説明会は、優に20回
を超えている。参加者が100名を超えることもたびたびだった。
私たちは、毎回の相談会で、被害が、いわば生活や人生の全面に及んで
いることを痛烈に認識させられた。また、生業や労働の成果物を喪失する
ということは、単に財産的な損失とどまるものではない。「働く」という
ことが、人間の価値を再確認し、自己実現を図る機会でもあり、個人の
尊厳にかかわるものだということを改めて学ばされた。

★弁護団の特徴と取り組み〜2つの目標と3つの柱★

弁護団は、被害の完全な賠償と地域環境の全面的な回復を要求し、実現
させることを目標にしている。また、東京電力のみならず、国をも責任の
主体として明確にしている。これは、弁護団が、今回の事故を公害として
位置づけていることに基づく。誰もお金だけの問題とはとらえていない。
除染や健康被害の対策など、国にも重大な責任があることは明らかである。
現在、弁護団では、上記目標を実現すべく、@受任事件の対応、A被害者
要求の組織化、B相談支援の3点を大きな柱として位置づけ、活動している。
弁護団の活動範囲は、福島県内にとどまっていない。
今後も、弁護団では、被害があるところに駆けつける決意である。


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◇◆◇ 泉南アスベスト国賠訴訟・第二陣訴訟勝訴! ◇◆◇
      −大阪地裁平成24年3月28日判決−
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★第一陣訴訟は高裁で逆転敗訴★

大阪地裁は、昨年5月19日、泉南地域におけるアスベスト被害について、
国の規制権限不行使の責任を認め、国に対し全損害の賠償を命じる判決を
言い渡しました。しかし、これを不服として国側が控訴し、平成23年
8月25日、大阪高等裁判所(第14民事部)は一転して、産業発展等を
理由に国の規制権限不行使の違法を極めて限定的にしか認めない旨を判示
して1審判決を取り消し、請求をすべて棄却する判決を言い渡しました。
現在、総勢1000名以上の弁護士が名を連ねた上告審が最高裁で係属中
で、全国各地から支援の声が寄せられています(第一陣訴訟)。

★第二陣訴訟は再び勝訴。しかし、国側は控訴★

アスベストで健康被害を受けた元石綿工場従業員や遺族ら55人が原告と
なって提起されていた国賠訴訟(第二陣訴訟)に対する判決が、平成24年
3月28日、大阪地裁(第8民事部)202号大法廷で言い渡されました。
裁判所は国の不作為責任を認め、原告らのうち50人について、損害の
3分の1の賠償を命じました。
第一陣高裁判決を克服した今回の判決は、国の責任を認めるうえで大きな
意義を有するものでしたが、4月6日、国は控訴し、病状の悪化と高齢化に
脅かされ、「いのちあるうちに」早期解決を願う原告らの切実な願いは、
またしても遠ざけられてしまいました。

▼リンク:大阪じん肺アスベスト弁護団
http://www.asbestos-osaka1.sakura.ne.jp/

▼リンク:大阪泉南地域のアスベスト国賠訴訟を勝たせる会
http://www.asbestos-osaka1.sakura.ne.jp/kataseru/


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◇◆◇ 「馬毛島」の長い闘い ◇◆◇
       弁護士 菅野 庄一(東京弁護士会)     
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※大隅諸島・馬毛島(マゲシマ・マゲンシマ;鹿児島県西之表市)を所有
  するタストン・エアポート社による飛行場建設工事と反対運動について
  は、ECO Tama26号をご参照ください。

★再度の提訴★

一連の違法開発に対して、国や鹿児島県は一貫してみて見ぬふりを決めこん
できました。そればかりか、2010年2月、現民主党政府は馬毛島の軍事
基地化(FCLP基地)を検討していることを公にして、馬毛島の買い取り
をタストン・エアポート社に持ちかけました。これは、現政府による違法
開発の容認にほかなりません。
ここに至り、鹿児島県や政府という行政もまた共犯であることを見せつけ
られた住民と漁師たちは、最後の力を振り絞って、今一度馬毛島の開発の
差し止めを求めて提訴するために立ち上がりました。
そして、2011年9月1日に、鹿児島地方裁判所において、タストン・
エアポート社に対して工事の差し止めと森林の原状回復、損害賠償などを
求め、鹿児島県知事や国に対しては林地開発許可の取り消しなどの行政措置
の義務付けと、違法を放置したことに対する損害賠償を求めて、民事訴訟と
行政訴訟の二つの裁判を起こしました。請求の根拠は、漁業権と自然享有権
ですが、この訴訟は、馬毛島で生息が確認されているマゲシカなど875種
の野生生物が原告に加わった自然の権利訴訟でもあります。
ところが、裁判長は、差し止め訴訟については59万8000円、行政訴訟
については772万8000円の印紙代の追加納付を、納付の理由も付さな
いまま命じてきました。裁判長は、印紙代の納付がないからという理由で、
11月22、29日それぞれ訴状却下の門前払い決定を下しました。自然原
告についても、原告らに釈明の機会を全く与えないまま、訴状却下しました。
原告はこの二つの問答無用の決定に対して直ちに即時抗告をし、現在、福岡
高裁宮崎支部で審議中です。

★原因裁定申請★

二つの裁判の進行は大幅な遅延が避けられない状態となりました。
そのため、本来裁判の中での嘱託申請を予定していた、公害等調整委員会
に対する原因裁定申請(タストン・エアポート社の開発行為が漁業被害の
原因であることの裁定を求める申請)を、裁判とは切り離して独自に申請
することを決断しました。
これによって、訴訟の実質的な遅延を回避することを考えたのです。
そして、上記却下された同じ日の11月29日、公害等調整委員会に申請
し、受理されました。2014年3月末日に期限が定められている答弁書
の提出をまって、第1回目の審問が開かれます。

★行政の動き★

再提訴に対する鹿児島地裁の対応はきわめて不合理で冷淡なものですが、
住民運動としては大きな前進をしています。
鹿児島県知事が、開発の実態調査の方針を打ち出し、調査に非協力の場合
は、過去の林地開発許可を取り消す方針を明らかにしたのです。
タストン・エアポート会長も、反対運動の高まりを受けて、11月に工事
を中断しました。そして本年2月に、工事を再開する意思のないことを
再度表明しています。軍事基地化の動きに対しては、西之表市は以前から
反対の立場を明確にしていましたが、鹿児島県知事も、従来の中立の姿勢
から一歩踏み込み、自らも明確に反対する方針を明らかにしました。

▼リンク:西之表市馬毛島の米軍施設等移転に関する問題について
http://www.city.nishinoomote.lg.jp/gyoukei/magemondai/magemondai.html



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◇◆◇ 2012年環境法勉強会を開催しました(東京&大阪) ◇◆◇  
     シロクマ報告会を開催しました(東京)        
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JELFでは、将来、一緒に環境問題に取り組む仲間を増やしたいとの思い
から、ロースクール生・修了生の皆さんを対象に勉強会を開催しています。
毎年恒例のこの企画は、両会場あわせて100名を超える参加があり、
今回も大好評でした。
ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。

◆日時 2010年7月3日(土)    

◆場所
<東京会場>
場所 地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)セミナースペース
<大阪会場>
場所 大阪弁護士会館 920号会議室

◆内容
第1部 <改正法 ポイント解説>                   
水質汚濁防止法の最近の改正点や重要ポイントの解説をしました。
第2部 <問題演習>   
環境影響評価法に関する演習問題の検討と解説をしました。
第3部 <環境法受験体験記>   
新司法試験で環境法を選択した弁護士が,試験直前期の過ごし方や勉強法
をお話ししました。

東京会場は、定員の都合上、残念ながら一部のお申込みをお断りせざるを
得ませんでした。
夏には第2回勉強会を鋭意企画中ですので、今回参加いただけなかった方
も、次回のご参加をお待ちしています。

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東京会場では、勉強会に引き続き、シロクマ報告会が行われました。

◆内容
@「シロクマ公害調停と行政訴訟」
  「ソロモンの気候変動影響 〜視察報告〜」
   講師:籠橋隆明(クライメットJ弁護団長・JELF理事長)
A「日本の温室効果ガス排出の実態〜大幅削減の必要性と可能性〜」
   講師:平田仁子(NPO法人気候ネットワーク・東京事務所所長)

籠橋団長からは、シロクマ公害調停の現状説明とともに、今年2月に行われ
たソロモン諸島視察の報告がありました。
ソロモンでは、気候変動に伴う海水面の上昇が被害として現実化しており、
住居の移転や、耕作地の移動など、島民の生活に大きな変化が現に生じて
いること、現地のNGOや住民に、日本の電力会社のCO2の排出状況を
説明し、今後の協力を約束できたことなどをお伝えしました。

平田氏からは、日本の温室効果ガス排出の現状や、気候ネットワークの
これまでの情報開示のための活動の報告があり、さらに、省エネ法改正の
動きと問題点についての解説もありました。

当日は、雨模様ではありましたが、幅広い年齢層の方の参加をいただき、
活発な議論も行われました。

地球温暖化問題を無視して、エネルギー問題は解決できません。
脱原発と地球温暖化の防止を両立することが必要かつ可能なのだと
広く訴えていくことの重要性を再認識できた報告会となりました。

(注)3月13日、シロクマ公害調停・第2段として、公害等調整委員会に
    公害調停を申請しました。この申請では、15人の日本人に加えて、
    20人のツバル国の方々も申請人として参加しています。
    今後この輪がますます広まることが期待されています。
    また、却下された第1段調停については、却下決定の取消しと調停の
    開始を求めて、東京地方裁判所及び大阪地方裁判所に対し、国
    (公害等調整委員会)を被告とした行政訴訟を、本年5月11日に
    提起すべく準備を進めています。

▼リンク:クラブ・クライメットJ
http://climate-j.org


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  ◇◆◇ JELFからのお知らせ ◇◆◇     
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□■□ JELF原発シンポジウム(敦賀市)のお知らせ □■□

2012年度のJELF総会は、福井県敦賀市で開催します。
敦賀・美浜・大飯・高浜原発がある福井県は、原発銀座と呼ばれ、
原発推進の是非をめぐる象徴的な地域です。
昨年の大阪原発総会に引き続き、今年度も、総会にあわせて、
原子力政策とエネルギー問題を考えるシンポジウムを開催します。
多くの皆様の参加をお待ちしております。

◆日時:5月12日(日) 14:30〜17:30

◆場所:敦賀市市民文化センター
   (福井県敦賀市桜町7番1号)
   http://bit.ly/HAnn9Y

◆テーマ:「地域社会の自立と原発を考える
       〜原発立地政策の違法性と民主主義の問題点〜」

◆参加費:700円(資料代として)

◆内 容:
@現在の全国各地の原発訴訟の実情について各訴訟弁護団より報告
  ・福井県の原発訴訟の状況
  ・上関原発訴訟から見る原発立地政策
  ・その他、参加弁護士からの報告

A東京電力福島第一原発事故の被害回復への取り組み
  報告:早川篤雄(とくお)さん(宝鏡寺住職)
  原発から20キロ圏内、楢葉町住民。境内で障害者支援施設を
  運営されながら、長年、原発の危険を訴える住民運動に取り組んできた

B福井県美浜市から、原発に頼らない地域をつくるための取り組み
  報告:松下照幸さん(元福井県美浜町町議)
  美浜市で長年、脱原発運動に取り組んでおられる元美浜町町会議員

◆問い合わせ:
日本環境法律家連盟(JELF) 三石
jelf@green-justice.com (電話:052-459-1753)

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□■□ NPO・社会起業家セミナーを企画中です(予告) □■□

JELF大阪支部では、NPO・NGOや社会起業家の方向けの
セミナーを企画中です。
環境をテーマとする講演会のほか、ディスカッションや法律相談
も行い、多様な環境団体が集う場を提供したいと考えています。

◆開催日:7月上旬〜中旬頃
◆場所;大阪市内 

※詳細については決まり次第、JELF大阪ホームページ、
  ECO Tmama 臨時号にてお知らせします。         

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           ・‥… あとがき …‥・
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この前、某弁護士会に行ったら、「ないな可視化しかないな」という
ベタな、いやもとい、見事な回文が立っていました。
可視化して欲しいことって、いっぱいありますよね。
例えば、”司法修習の可視化”とか。

修習生の皆さんの話をいろいろ聞くに、絶対面白いですよ、これ。
担当裁判官による当たりはずれがすごいとか…。
最近は修習も味気なくなったといわれてますが、どうしてどうして、人間味
あふれる教官のエピソードの数々は、はたで聞いててほんとに面白いです。
受験生のモチベーションもぐっと上がるんじゃないでしょうか。
もっとも、気の弱いロー生は見ない方がいいかもしれませんが。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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   目指しています。ぜひ、ご意見ご感想、実務家への質問等、また、
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     大阪市中央区南本町1丁目4番10号 StoRKビル4階
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