3.11福島原発事故後、全国ほぼすべての原発について、運転差止を求める民事訴訟や、設置許可処分などを争う行政訴訟が提起されており、多くのJELF会員が裁判を担っています。政治的には脱原発を期待できない状況において、これらの原発訴訟はいまや各地の脱原発運動の中核といえます。

 これまでになされた決定・判決は、以下のとおりです。

  • 2014年5月21日大飯原発福井地裁 本訴判決 勝訴(現在、名古屋高裁金沢支部)
  • 2015年4月14日高浜原発福井地裁 仮処分決定 勝訴(その後、福井地裁異議審で敗訴)
  • 2015年4月22日川内原発鹿児島地裁 仮処分却下決定 敗訴(その後、福岡高裁宮崎支部抗告審でも敗訴)
  • 2015年12月24日高浜原発福井地裁 異議審仮処分決定取消 敗訴(その後名古屋高裁金沢支部→その後取下げ)
  • 2016年3月9日高浜原発大津地裁 仮処分決定 勝訴(現在、大阪高裁)
  • 2016年4月6日川内原発福岡高裁宮崎支部 抗告審仮処分却下決定認可 敗訴 確定

 とりわけ、高浜原発大津地裁仮処分勝訴決定は、稼働中であった高浜原発3号機及び4号機の運転停止を命じたもので、まさに画期的な決定でした。

 今後、まもなく、判決・決定が見込まれる事件は、以下のとおりです。

  • 高浜原発大阪高裁(審理終結)
  • 大飯原発名古屋高裁金沢支部
  • 大間原発函館地裁本訴(2017年6月 結審予定)
  • 伊方原発広島地裁仮処分
  • 伊方原発松山地裁仮処分(審理終結)
  • 伊方原発大分地裁仮処分

 原発の再稼働をストップさせる闘いは、今がまさに正念場です。
もとより、原発の再稼働を阻止できるかどうかは、原発訴訟だけで決着が付く問題ではありません。世論の支持がなければ、裁判所の勝訴判決・決定は、簡単に覆ってしまうでしょう。様々な立場における、いくつもの重層的な取り組みが必要だと思います。