1 廃棄物問題とは?

 JELFにとっての廃棄物問題には、廃棄物によって起こされる長期・潜在的な公害を防止し、地域コミュニティの良好な環境を守る側面と、廃棄物の発生を抑制し、リユースやリサイクルによって環境負荷の小さな循環型の社会を創っていく側面があります。

 私たちは、事業者に廃棄物処理法を厳格に守らせ、違法・不適正な処分をさせないとともに、それを監督する行政に対して適正な法執行を行うことを要請するなど、環境の監視役を務めてきました。

 それとともに、外部からの廃棄物の搬入により地域の環境が汚染されるリスクを負うコミュニティを代理して、各地で廃棄物処分場の立地反対運動の支援をしてきました。

 これらの運動は地域ぐるみで取り組まれるため、環境意識が高まり、やがては単なる反対運動を越えた新たな循環型地域づくり運動へと発展していきます。

 さまざまな専門家や運動組織とのネットワークづくりの中で、未来への対案のある運動を広めていくことが私たちの責務だと考えています。

2 従前と今後の取り組み事件

(1)墓石、古畳、建設残土の不法投棄事件を警察署に告発します。
(2)不法焼却による大気汚染を防ぐため、裁判所に仮処分を申立てます。
(3)水源地を汚染するおそれのある産業廃棄物最終処分場の建設差止訴訟をします。
(4)環境汚染を起こしている処分場を放置している行政に対し、義務付け訴訟を起こします(例 西吉野産廃富士事件)。
(5)行政情報の公開を求める情報公開訴訟を起こします。
(6)企業役員のコンプライアンス違反について、責任追及の株主代表訴訟を起こします(例 石原産業フェロシルト事件)。
(7)能勢ダイオキシン廃棄物違法処理など違法な公金支出を伴う廃棄物処理について、行政を相手に住民訴訟を起こします。

3 放射性廃棄物への取り組み

 2011年3月の福島第一原発事故後、飛散した大量の放射性物質で汚染された廃棄物の処理のため、環境省は100ベクレルの安全基準を8000ベクレルに引き上げる緩和措置をとりました。これにより、放射性廃棄物の県境を超える広域移動が行われ、これを監視しようとする住民に対して、定義のあいまいな風評被害を理由として情報を公開しないという秘密主義が復活し、放射性廃棄物の流れを国民監視から晦まそうとする動きが行政や司法で強まっています。これらの逆行に対して、完全な情報公開を求める取り組みをします。