日本環境法律家連盟2001年度活動方針・活動報告

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日本環境法律家連盟とは 

活動方針・活動報告

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2001年度活動方針   2001年度活動報告<このページの後半にあります>04.23 活動報告を追加

1 はじめに
 連盟では2001年度の活動としてWTO問題を重視して活動する。WTOは多国籍企業の投資の自由を本質として、グローバルスタンダードを作り上げていく過程である。これに対して、多くの環境保護団体、人権擁護団体がWTOに対して反対の行動を起こしている。日本環境法律家連盟では地域自治、自由、平等、個人の尊厳を基準にしたグローバルスタンダードを実現しようとする国際的な動きに呼応して活動する。廃棄物問題についてもゴミ弁連の活動を重視するとともに、循環型社会実現に向けて活動する。
 公共工事は我が国の経済発展の象徴であった。一方で公共工事が自然を破壊し、地域のコミュニティを破壊し、さらに多くの公害を生み出してきた。公共工事の問題は破壊して発展させるという我が国の経済政策のあり方を根本的に問う問題である。国、自治体の財政危機にあって、今日公共工事のあり方見直しの機運が高まっている。公共工事のあり方を見直すと言うことは破壊して発展させるというこれまでの政策を改める重要な転機であると言えよう。日本環境法律家連盟では公共工事問題の本質を理解して、自然と調和した持続的社会実現をめざして活動を進める。
 特に、全国各地のダム訴訟が立証段階に入り、事業者側の尋問が進められようとしていること、長野県の脱ダム宣言の是非が大きな議論となっていることから、当面 ダム問題に力を入れて活動を進めていく。2001年7月20日に長野県にてサマーセミナーを実施し、ダム開発の問題点を徹底的に明らかにしていくとともに、長野県の脱ダムの流れを進めていく。また、全国ダム訴訟交流会を進めていく。特に、費用便益問題についての研究体制を充実していく。
 公共工事問題全般についても引き続き、支援活動を続ける。9月28日から29日にかけて北海道にて理事会を開催し、現在問題になっている日高地方道路開発問題を取り上げていく。現在土地収用法改正問題が浮上している。連盟としては土地収用法が多くの大規模開発を容認し、深刻な自然破壊を招いてきた事実を重視し、時期に応じて取り組みを進める。

2.沖縄ジュゴン
 連盟では昨年総会で沖縄ジュゴン保護活動を行うことを取り決めた。米国ESAを活用することとし、大阪の弁護士を中心にESA研究会を発足した。大阪の弁護士が7名、沖縄2名、名古屋3名、東京3名の弁護士が実働部隊として活動している。研究会では米国弁護士を招待して勉強会を開催した。(Aaron Courtney//Pacific Environmental Advocacy Center//Northwestern School of Law of Luis and Clark College)。運動方面では、連盟の動きが沖縄県内で大きく報道されたこと、昨年12月2日に那覇市内で集会を開き、県内の主だった環境保護団体、平和運動団体が集まり盛況となった。

 ESA適用に向けての準備の状況と連盟の方針
 沖縄ジュゴン保護の市民運動は「自然の権利」基金を中心に展開している。基金ではジュゴンブランチ、ジュゴンファンクラブを設けて活動している。今後の集金の中核となる。今後、沖縄の運動体を中心に原告団の結成、それを支援する弁護団の結成が必要である。連盟としては次の方針で臨む。
  (1) 米軍基地建設はジュゴンをはじめとした辺野古海域、ヤンバル地域の自然に脅威となるため反対である。
  (2) 米軍基地建設反対のためにESAを活用した訴訟を米国で提訴していく。
  (3) 日本国内においてジュゴン保護政策を提案していく。
  (4) 以上の活動のために関係団体と協力しつつ活動を進める。


2001年度活動報告

2001/2/24      公害弁連共催 ジュゴンシンポジウム(愛知県:名古屋市)
           「沖縄の心と「自然の権利」」
  3/10       理事会 (愛知県:名古屋市)
  4/20-22     第6回 総会 (鹿児島県:屋久島)
  7/7            「自然の権利」基金共催 沖縄ジュゴンシンポジウム(沖縄県:那覇市)
  7/13-15    環境サマーセミナー 圏央道現地視察 (東京都:高尾山)
  7/29-8/5    沖縄ジュゴンワシントンツアー 
  9/28-10/1 拡大理事会および日高横断道路視察(北海道:札幌市)

<イベント紹介>
2001/2/24 ジュゴンシンポジウム「沖縄の心と「自然の権利」」(愛知県:名古屋市)
 沖縄ジュゴン問題の関心を広める。
   @沖縄ジュゴンと沖縄の文化(前田一舟 沖縄県立埋蔵文化財センター)
   A沖縄ジュゴンと「自然の権利」(籠橋隆明「自然の権利」基金事務局長)
   B沖縄ジュゴン保護運動の支援について(余門光子「自然の権利」基金事務局)
   C琉球音楽

2001/7/7 ジュゴンシンポジウム(沖縄:那覇市)
  沖縄ジュゴン問題の関心を広め、かつ沖縄地元市民団体との連携を強化する。
      @「アメリカ自然保護運動について」(宇井純 沖縄大学教授:ジュゴン訴訟原告)
      Aミニコンサート
   B沖縄ジュゴンの近況 (細川太郎 ジュゴンネットワーク沖縄)
     C沖縄ジュゴン「自然の権利」訴訟(籠橋隆明「自然の権利」基金事務局長)
   Dジュゴンの海と「エコネット・美」(輿石安奈 エコネット・美)
   E原告団紹介

2001/7/13-15 環境サマーセミナー(東京都:高尾山)
  環境問題の訴訟現場の声を聴く。環境問題の現場を体験する。
学習会 「環境訴訟と弁護士の役割」
     講師  公害運動   :村松昭夫弁護士

                   廃棄物問題:大川真郎弁護士
           自然保護   :菅野庄一弁護士

                   環境NGO    :籠橋隆明弁護士
高尾山フィールドワーク

2001/7/29-8/5 ワシントン・フロリダツアー
米国での種の保存法(ESA)に基づく訴訟の事前調査と米国環境NGOとの連携を深めるため、ジュゴン弁護団弁護士5名が、日本自然保護協会(NACS−J)スタッフと共にワシントンDCとフロリダの政府機関や環境NGOを訪問。
訪問団体:海洋哺乳類委員会(MMC)、環境基準委員会(CEQ)、内務省内魚類及び野生生物局(FWS)、国家安全保障委員会(NSC)、国務省、SMT(Save the Manatee Club)






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